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米国債とは?
米国債とは米国財務省証券の略語であり、アメリカ合衆国政府(米国財務省)が発行する国債のことを指します。米国債は償還までの期間によって大きく3種類に分けられます。
①T-BILL(トレジャリービル)財務省短期証券。期間が1年未満の債権。
②T-NOTE(トレジャリーノート)財務省中期証券。期間が1年超10年以下の債権。
③T-BOND(トレジャリーボンドd)期間が10年を超える債権。
米国債はアメリカ政府発行の債権になるので信用力と流動性が高く世界中の機関投資家のポートフォリオに組み込まれています。
信用力が高い為に金融市場で地政学リスクや金融不安などの懸念が出てきた時に株式を売って米国債を買うというアノマリーからも米国債は世界最大の資金の受け皿となっています。
また、流動性が高い点も大きなポイントで株式の場合は債権と比べて流動性が低い為に莫大な資金を運用している年金基金などの機関投資家は株式と比べ売買が容易にできる点も大きなポイントになります。
個人投資家には米国債などはあまり馴染みはありませんが、株式投資を行う上では債権と株式は切っても切れない縁になっており、債権動向が株式を動かすと言っても過言では無いほど金融市場のリード役になっています。
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米国債の利回り上昇下落とは?
債権の利回りが上昇する為には、債権が売られるという意味と全く同じになります。
【例】
100円の債権があり、1年間保有していればまで105円で償還されます。
100円で購入していれば元本100円よりも5円多く償還され利回りは5%となります。
仮に債権の価格が下落して90円になり、90円で購入して1年間保有していれば同じく105円で償還されるので90円の投資で15円多く償還されます。
(105 - 90) ÷ 90 × 100 = 16
16%の利回りとなります。
逆に債権価格が上昇した場合は、上計算の逆になります。
この理屈でば債権が下がれば利回りが上昇して、債権が上昇すれば利回りが下落するという事になります。
米国債の上昇や下落にはいくつかの複合要因が上げられます。
①
FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策動向。
②アメリカの景気、企業業績、金融市場の動向。
③ムーディーズやS&Pなどの格付け会社からの格付け。
④世界的な地政学やパンデミックリスク。
アメリカの景気やインフレが加熱をするとFRBが景気やインフレの加熱を抑える為に利上げの政策を取ります。
FRBの利上げを見越して
債権が売られて利回りが上昇するという流れが一般的な金利変動要因です。
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FRBの利上げのタイミングは?
FRBは景気やインフレに過熱感が出てきた時に利上げ、金融不安や世界的な地政学またはパンデミックリスクが表面化してきた時に利下げに舵を切ります。
景気動向は
雇用統計、インフレは
消費者物価指数などの統計から
FOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ利下げの有無を決定します。
また、突発的なリスクが出てきた時はFOMCなしで利下げを行う緊急利下げを行う場合もります。
FRBの金利変更の有無はFOMCの発表までは結果は断定できませんが、
FEDウォッチでは次のFOMCで金融政策で金利の変更の有無の確率が分かります。
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金利と株式との関係は?
金利と株式はシーソーの関係と見られているのが一般的です。
金利が上昇(債権下落)すれば資金調達コストが上昇して企業業績が悪化し株式が売られるという流れになります。
また、金利が上昇する事により、リスク資産である株式から債権へ資金を入れ替える為に株式を売ると言った流れも起きます。
逆に、金利が下落(債権上昇)すれば今の例の真逆の構造になります。
上記は一般的に教科書で言われている事例なので金融市場では必ずしも教科書通りに動くとは限りません。
典型例が90年代の日本であり利下げを続けゼロ金利制作を導入したがデフレや不良債権問題から脱却できず株式は低迷を続けました。